FC200とは?基本的な知識を紹介!!
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摩擦や衝撃に強いねずみ鋳鉄のFC200をご存知ですか?FC200は加工がしやすい特徴があり、様々な用途に使用されます。今回はFC200について、基本的な知識と特徴について詳しく紹介します。
FC200の加工これだけは知っておきたいFC200のポイント!
- 切削性があり加工がしやすい特徴
- 摩擦や衝撃に強い性質がある
- 脆弱性があるため溶接加工には不向き
鋳造性に優れたねずみ鋳鉄の一種「FC200」とは
FC200とは、ねずみ鋳鉄の一種でその中でも普通鋳鉄に属します。FC200は、目的の形状に固める加工方法である鋳造性に優れている反面、ほかの鋳鉄と比較すると脆弱性があります。鋳鉄の加工には、ダイヤモンドホイールなどのダイヤモンド砥石が多く使用されています。
削る加工がしやすいのが特徴?「FC200」の性質 とは
FC200とは、引っ張りの強さの下限の値が200と定められている材料で、普通鋳鉄品のひとつです。FC200の硬度は、223以下とされています。黒鉛を含んでいるので、切削加工や研削加工がしやすい特徴があります。FC200の強度は20kg/mm2以上、硬度は131〜223です。
◼︎化学的性質
引張り強さ(N/mm 2) | 硬度(HB) | |
FC200 | 200 | 131〜223 |
◼︎物理的性質
比重(g/cm^3) | ヤング率(Gpa) | ポアソン比 | 膨張係数(1/k) | 熱伝導率(W/m・K) | 電気抵抗(Ω) |
比熱(kJ/kg・K)
|
900~1100 | 70~90 | 4.5~8.0 | [11.5~12.0] ×10-6(0~200℃) [13.0~13.5] ×10-6 (0~500℃) |
0.120~0.130 | 75~85 |
0.12~0.13(0~200℃)、 0.16~0.17(0~1000℃)
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摩擦による耐久性に優れた「耐摩擦性」
FC200は、炭素の量が多く含まれているので、耐摩耗性に優れていると言われています。固める経過で黒鉛の量を多く放出できることで、黒鉛が潤滑剤として働き、摩擦に対するの耐久性が高まります。この黒鉛が、連続的に金属の組織を寸断するので、耐摩耗性の他に切削性や加工性にも優れています。
不向きな加工について
FC200は、黒鉛を多く含んでいることから引張りの強度も高く、切削加工や研削加工の高さが特徴のひとつです。しかし黒鉛を多く含有しているため、脆い特性があります。そのため、塑性加工や溶接の加工には弱い特性があるため、この加工には不向きな素材です。
衝撃に強いFC200の使い方
FC200は、振動を吸収する能力が高いため熱の衝撃にも強いため、工作機械用のベッドやテーブルに使用されます。また、ディーゼルエンジンのためのシリンダライナーやケーシング、クランクケースや油圧機械用羽車にも使用されます。
切削性に優れた一般機械鋳物
FC200は、FCの鋳鉄の種類に中でも一般的な素材と言われています。一般機械鋳物として、FC200やFC250が多く使用されています。これは、切削性が良いと言われているためです。一般機械鋳物の他に、FC200とFC250は二輪四輪などの輸送機器部分などに使われる素材です。
FC200の加工
FC200は、よく使用される加工は切削加工です。FC200は、分断する時に小さい切りくずになります。他にも黒鉛が固体物の潤滑材としても使用できるため、ほかの鋼と比較すると簡単に切削加工ができるためです。
参考:
[「砥石」と「研削・研磨」の総合情報サイト](https://www.toishi.info/sozai/fc/index.html)
FC200は削ったり切ったりする加工に最適なねずみ鋳鉄
FC200の特徴は、切削性です。また、摩擦に強く衝撃に強い特徴もあります。しかしその反面、脆い性質もあるため、FC200を使用する際は溶接加工を避けるようにしましょう。