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PPSとは?長所や短所についてもチェック!

PSは、樹脂の種類の一つで、性能や用途が違うため、特徴にどのような長所があるのかを理解して、短所を把握することが必要です。また、PPSに成分を添加したグレードが異なる種類もあって、特徴に合わせて使い分けることにより、良い製品を生産させることに繋がるので、今回PPSについて詳しく紹介します。

これだけは知っておくべきPPSのポイント

  • PPSは、充填する材料の組み合わせを変えることにより、性能を強化することができる。
  • PPSは、射出成形用など成形を行うときの型に種類ある。
  • PPSは、スーパーエンジニアリングプラスチックという種類に分類される。

PPSとは化学構造を持った結晶性の耐熱性ポリマー樹脂

PPSは、ポリフェニレンサルファイドという名称で、化学構造を持ち合わせている樹脂です。芳香族炭化水素のベンゼンと希硫酸などに使用されるS(硫黄)を組み合わせた結晶性を持っています。

性能も他の樹脂と比較して、高いところがありますが、充填する材料を変えることによって、より強度や性能を向上させることが可能です。例えば、機械的強度をバランス良く引き上げたり、一つの特長を伸ばすなどの種類があります。

PPSの2種類の成形方法

PPSを使って製品を成形するときに、利用される方法が、「架橋型」と「直鎖型」の2種類あります。成形の行い方によって、特徴が変化するので、用途に合わせて、対応をするときに知っておく必要があるものです。

2種類について、どのような成形方法をしているのか紹介します。

酸化架橋型

金型を利用して、製品の成形を施すときに使用される射出成形です。PPSの架橋型は、射出成形方法を使っており、加熱を行い溶けた樹脂を用意した金型に、流し入れます。金型に入れ終わった後に、冷やしていくことで成形をしていくものです。

酸素がある中で、熱処理を行うことにより、架橋が進んで溶融粘度が向上することから「酸化架橋型」と呼ばれています。

直鎖型

酸化架橋型同様に、射出成形用に利用されていますが、他にも、繊維加工やフィルム成形など幅広く用いることが可能です。直鎖型は、塩化リチウムといった化合物などを添加することにより、分子の量を向上することができるため、繊維の加工など、加工性が高く成形を行うことができる汎用性が高い型です。性能を強化した種類を作り出すことに、繋がります。

PPSを使った用途について

PPSが使用されている用途について紹介します。

キャブレター

車やバイクのエンジンには欠かせないパーツです。

燃料として利用されているガソリンを空気と混ぜ合わせた状態で燃焼させ高いエネルギーを得ることで、その力を、回転力に変換します。その際、混ざりあった気体を調整する必要があるパーツにPPSが使われていて、性能が活かされているものです。

電子レンジ

PPSは、電子レンジで利用するのに適した種類があります。高い耐熱性や、成形性など多くの性能を必要しており、安全に使用するために良い素材です。

PPSが持つ性能の長所と短所

スーパーエンジニアリングプラスチックという剛性が優れているPPS。他にも長所や短所といった特徴があるので、詳しく紹介します。

長所

耐熱性

耐えることができる熱の温度が約220度から240度まである性能が高い材料です。また、寒い環境にも耐性を持っており、約マイナス20度まで耐えられます。

耐薬品性

PPSは、アルカリ性や弱酸を利用した薬品に対する耐性を有しています。塗料など幅広く使われている有機溶剤にも、200度以下の状態で高い抵抗力を持つことが可能です。

寸法安定性

PPSは、成形を行ったとき収縮率が小さいもので、吸水性も他の樹脂と比較して低く、高温の中でも形の変動が少ないため、製品が型崩れをしなくなる寸法安定性があります。

電気絶縁性

電気を通しにくい性質を持っているPPS。高い温度に晒されたり、周波数の影響を与えられても、絶縁性にあまり変化が現れない優れた効果がある材料です。

短所

耐衝撃性

PPSは、高いところからの落下による瞬間的な力に対する、衝撃への耐性が低いです。

耐摩耗性

製品の寿命にも関わってくる磨耗に対する耐性が低いので、取り扱うとき、考慮する必要があります。

PPSの性能を強化したグレードの種類

PPSの性能を強化して、耐性や機械的強度を向上させた種類を表にして紹介します。

種類 成分について グレード
特徴について説明
TS401 ガラス繊維40% 標準グレード
PPSの標準グレードで、強度や耐性といった特性が優れています。バランスが良いため、汎用性が高いです。
TS201HS ガラス繊維強化
無機フィラー強化
高強度・高靭性グレード
ガラス繊維は40%に満たないですが、強度は同じぐらいあります。ソリやヒケといった成形不良が少ないため、良質な製品を生産することが可能です。
TS301 ガラス繊維30% 高靭性・高流動グレード<
流動性が高いため、形成を行うとき、低圧で対応することができます。また、脆性によって、壊れることに対して、抵抗することができる靭性も優れているグレードです。
TS101 ガラス繊維強化
無機フィラー強化
低収縮グレード
成形を行ったとき、収縮する割合が小さいため、寸法を測る精度が向上しています。また、曲げたりする力によって、歪みを抑える剛性を持っているグレードです。
TS201 ガラス繊維強化
無機フィラー強化
高強化グレード
強度や靭性など機械的性質が高いグレードです。頑丈さを持っている素材ですが、寸法の精度も良い特長を持っています。
TS401HS ガラス繊維40% 高靭性・高流動グレード
機械的性質に影響を及ぼすことがあるウェルドの強度が高く、TS301よりガラス繊維が10%多く含まれているので、より高い機械的性質を持っています。
TS501 ガラス繊維50% 高剛性グレード
グレードの中でもガラス繊維が多く、製品の形が捻ったりする力に抗うことができる性質、剛性が優れています。

PPSの性質から分かる性能

機械的性質

PPSは、温度に違いがある状態でも、引っ張ったときの強さを持っており、曲げたときに、歪みが起きることを防ぐ、剛性があります。

フィラー(充填材)、種類
無充填
グラスファイバー(GF)40%充填
械的性質
引張強さ(kgf・mm^-2)
7 16.4
最大伸び率(%)
3 3
曲げ強さ(破壊、降伏)(kgf・mm^-2)
14.1 29
引張弾性率(kgf・mm^-2)
337 780
曲げ弾性率(kgf・mm^-2)
421 1195
アイゾット衝撃値(kgf・cm・cm^-1)
1.63 4.35
硬度(硬さ) ロックウェル R124 R123
ショア

物理的性質

結晶性を持っている材料で、290度まで耐えることができる耐熱性があります。そのため、熱処理を行う加工の対応をしやすいです。

フィラー(充填材)、種類
無充填
グラスファイバー(GF)40%充填
物理的性質
密度(g・cm^-3)
1.34 1.64
融点(℃) 結晶 290 290
非晶性
透明度 不透明 不透明
吸水率(%)3mm、24h
0.2 0.1

化学的性質

PPSは、強酸の影響をゆっくりと受けてしまいますが、弱酸に耐えることができます。また、アルカリ性を使った薬品に対しての耐薬品性を持っている材料です。

フィラー(充填材)、種類
無充填
グラスファイバー(GF)40%充填
化学的性質・耐薬品性
燃焼性、速度(mm・min-1)
日光の影響
弱酸の影響 無し
強酸の影響
酸化性酸にゆっくり
弱アルカリの影響
無し
強アルカリの影響
無し
有機溶剤の影響
200℃以下で抵抗大

まとめ

PPSは、成形を行うときに型があり、充填する種類によって特徴が変化します。性能が高いところと低いところがあるので、取り扱うときに理解する必要があります。また、どのような用途に利用されているのかなど、PPSについて知識を深めたい方は、紹介した情報を参考にしてみてください。

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