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アルミの特徴、性質、種類について解説

アルミ・アルミニウムとは

アルミニウムはJIS記号ではAluminiumのAに続いて4ケタの数字つくことで表されます。合金の種類によって1000系から7000系まで番号がつけられています。アルミニウムの最も大きな特徴はその軽さであり鉄と比較して約1/3の密度となります。軽さ以外にも多くの性質を持っており、様々な用途に使用されており、非鉄金属の中では最も生産量の多いのがアルミニウムです。ただし、私たちの身の回りで使われているアルミニウムはほとんどが合金として利用されており、1円硬貨のような純アルミニウムはむしろ稀な存在であります。

アルミ/アルミニウムの成分と性質

アルミニウムはとても多くの性質を持ち合わせている金属であり、その性質が評価され様々な用途で使用されています。それぞれ詳しくみてみましょう。

・軽さ

たくさんの性質がある中でも最も特徴的なのは軽さです。鉄と比較すると約1/3の2.7g/cm^3ほどであり、とても利用しやすい金属です。アルミニウムを利用する上で利用価値が高いのはこの軽さを活かして軽量化や効率化を図れることにあります。実際、アルミニウムが工業製品として利用され始めたのは、航空機の軽量化を目的にした時にアルミニウムの開発が進められたことが大きく関係しています。今では人工衛星や新幹線、地下鉄に至るまで、広く使われています。

・強さ

純アルミニウムでは強さはそれほどありませんが添加する合金によっては強いアルミニウムになります。中でも亜鉛(Zn)とマグネシウム(Mg)を添加した7000系のA7075は炭素鋼のSS400を超える引張り強さがあります。その他A2024、A2017は上位3品種でありジュラルミン系と呼ばれます。しかし剛性の指針である縦弾性係数はどの品種でも鉄の1/3のままなので、同じ力が加わると鉄の3倍の変形量が生じます。

・加工性

軟らかくて展性も高く、また切削の抵抗が小さく熱伝導性も優れ切削熱を拡散できるためとても加工しやすい金属であります。一方で熱が逃げてしまうため、溶接性は炭素鋼と比べ劣ります。

・耐食性

アルミニウムは大気中で酸素と結合し不動態の酸化皮膜を形成します。酸化皮膜は酸素と水分を遮断するためとても優れた耐食性をもたらします。ただ、何らかの影響で酸化皮膜が消失した時アルミニウムの腐食が始まります。さらに耐食性が必要な際は表面処理としてアルマイト処理をおこない、人工的に酸化皮膜を形成することで耐食性を大きく向上させることができます。

他にも熱伝導性、導電率が銀・金・銅についで高い点や線膨張係数が高く温度変化に注意が必要な点、耐熱温度が低く200℃を超えると強さが急激にさがるなどたくさんの特徴があります

アルミ/アルミニウムの種類とその特徴

マグネシウムを添加することによって強度と耐食性が向上されている合金です。アルミニウム合金の中でも最も多く使われているのがこ合金の種類によって1000系から7000系まで番号がつけられています。合金の種類によってそれぞれ加工性や強度、耐食性に特徴が現れます。アルミニウムの中でも特によく使用される5000系のA5052はマグネシウムを添加することによって強度や耐食性、溶接性、加工性が向上しています。他にも純アルミニウムで強度は弱いが外観の優れるの1000系や超々ジュラルミンと呼ばれるSS400を超えるほどの強度を持つ7000系など様々な種類のアルミニウム合金があります。

・1000系(純アルミニウム)

純度99.90%以上のアルミニウムを純アルミニウムと言います。純度が高いため、熱伝導性や導電率、加工性、耐食性に優れるが強度が弱いため構造部品には用いることができません。強度は純度が高くなるにつれて弱くなります。外観は良いため製品や生産設備のカバーの用途があります。

・2000系(Al-Cu-Mg系)

銅が添加されているため強度が高くなっているが、一方で耐食性は悪くなっています。海水などの腐食環境にさらされる場合には防食処理が必須になります。A2017はジュラルミン、A2024は超ジュラルミンと呼ばれ鋼材に匹敵する強度を持ちます。加工性は良いが溶接性は悪いため接合にはネジ固定やリベットが用いられます。

・5000系(Al-Mg系)

500系の代表格はA5052です。強度と耐食性に加え、溶接性や加工性にも優れるため船舶材料や車両に多く用いられています。

・6000系(Al-Mg-Si系)

マグネシウム(Mg)とシリコン(Si)が添加された合金であり、強度、加工性、耐食性、溶接加工性に優れた合金です。特に押し出し加工性が良いので板、棒、Lアングルなど様々な形状のバリュエーションに対応しています。特に代表品種のA6063は優れた押し出し加工性から建築用のサッシに使われています。

・7000系(Al-Zn-Mg系)

亜鉛(Zn)とマグネシウム(Mg)を添加した合金であり、熱処理を行うとアルミ合金中で最も高強度の合金となります。代表的な品種はA7075はSS400を超える強度があり、超々ジュラルミンと呼ばれます。材料価格は高価ですが、その強度や加工性は魅力的であり航空機やスポーツ用品に使用されています。

1000系(代表例:A1100) 2000系(代表例:A2017) 5000系(代表例:A5052) 6000系(代表例:A6063)
7000系(代表例:A7075)
強度 ×
耐食性 ×
加工性

他の金属材料との比較

材質 鉄(代表例 SS400) ステンレス(代表例 SUS304) 銅(代表例 C1100) アルミ(代表例 A5052)
樹脂(合成樹脂)
耐食性 ×
加工性
耐熱性 × ×
強度 × ×
導電性 ×
熱伝導性 ×
密度(×10^3 kg/m^3) 7.87 7.94 8.96 2.7
価格(¥/kg) 116 448 155 800
磁性 あり 加工・規格による なし なし なし
溶接性 × ×
コメント QCD全面でバランスがとれており、強度も高い、非常に汎用的な材質です。 炭素とクロムを含んだ鉄の合金鋼です。耐食性に優れているため、錆などの起きやすい屋外で使われることが多いです。 熱伝導性・導電性が非常に優れた材質です。
一方で、強度と溶接性が劣っています。
アルミは合金の種類に依らず、軽さが特徴の材質です。
また導電性・熱伝導性もかなり優れています。
一方で、強度と耐熱性が劣っています。
プラスチックのことです。
生産方法によってさまざまな樹脂ができますが、耐食性や加工性に優れていることや強度が低いこと、熱や電気を伝えにくいことは多くの樹脂に共通した性質といえます。

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