「物的イノベーションを10倍加速する」をビジョンに掲げるキャディ株式会社(本社:東京都台東区、代表取締役CEO:加藤 勇志郎、以下キャディ)は、アメリカ・シカゴにて2026年9月15日、製造業エグゼクティブ向けイベント「CADDi | Manufacturing Future Forum in Chicago」を開催したことをお知らせします。
当日は米国にて製造業を営む日米の経営層の方々にご参加いただきました。各セッションでは登壇者が描く業界のビジョンやこれまでの歩みを共有した後、続くレセプションでは参加者間で活発な交流が行われました。
在シカゴ日本国総領事館 首席領事 岸 直也氏
在シカゴ日本国総領事館 首席領事の岸直也氏は、開催地シカゴを含む米国中西部を「アメリカ製造業の屋台骨」と称し、日米両国がこれまでイノベーションに向けて深く強固なパートナーシップを築いてきたことを強調しました。
岸氏は、今年のIMTS(国際製造技術展)のテーマである「不可能の達成」と本カンファレンスが軌を一にしているとし、AIやデジタル製造ソリューションが中心となるこれからのグローバル製造業の未来にこそ、国家や産業をも跨ぐ人々の間の連携が不可欠であると指摘。さらに、未来の成長を真に推進するためには組織の変革を牽引するビジョナリーなリーダーシップが必要であると説きました。
モノづくりへの共通の情熱を持つ参加者たちに対し、「本フォーラムが新しいアイデアにとどまらず、課題解決に向けた決定的な行動を生み出す起爆剤となってほしい」と表明。より強固な製造業の発展が、全人類のより良い未来につながるという強い期待を、会場に集まったエグゼクティブたちへ伝えました。
キャディ株式会社 代表取締役CEO 加藤 勇志郎
今年8月に日本で開催された「CADDi UNLEASH 2026」で提示したモノづくりの未来へのビジョンを、今回、米国市場のエグゼクティブたちに向けて力強く発信しました。
加藤は、AIの進化により「知能」の限界が次々と突破される一方で、物理的なモノづくりのスピードは過去30年間ほとんど変わっていない現状を指摘。AIにより躍進を遂げる理論の創出と、スピードがほとんど変わらぬ物理世界への実装。キャディはこのスピードの乖離を打破すべく、「物的イノベーションを10倍加速する」という10年ビジョンを提示しました。その実現の要として、製造業AIデータプラットフォームCADDiを、データレイヤー、セマンティックレイヤー、ディスカバリー&エージェント、ワークフロープロダクトの4層からなる垂直統合型の次世代産業OSへと進化させる構想を米国市場で発表しました。
さらに新たな発表として、この製造業OSの開発、米国を中心としたグローバル展開を強力に推し進めるため、シリーズDラウンドでの177億円の資金調達を実施したことを明らかにしました。この発表を通じ、「物的限界」の打破に向け、キャディがさらなる飛躍を遂げることへの強い決意を会場に示しました。
クオリティー・エレクトロダイナミクス創業者、社長兼最高経営責任者 Canon Healthcare USA, Inc. 会長 藤田 浩之氏
Canon Healthcare USA, Inc. 会長であり、医療機器メーカーQED創業者の藤田浩之氏は、単身渡米してからの約40年にわたる自身の軌跡を振り返り、日米を股にかけた現場で仲間たちと共に重ねてきた「挑戦」と「モノづくり」への思いについて講演を行いました。
早稲田大学を中退して渡米し、ゼロから英語と物理学を学び直した藤田氏は、スタートアップから巨大グローバル企業までを渡り歩き、2006年にオハイオ州クリーブランドでQEDを創業しました。同氏は、これまでの事業成長や欧州への最新医療機器の出荷といった成果は「過去20年間のチームワークの賜物である」と断言。国籍や文化の異なる多様な人々が団結し、人類のために最高の医療機器を作るという「夢の会社」を仲間と共に築き上げてきた道のりを語り、「結局のところ、すべては『人』に帰結する」と力説しました。
また、自身のキャリアを振り返る中で、「最初の一歩を踏み出さなければ何も起こらない」という『一歩ずつ(One step at a time)』の哲学を提示。過度にリスクを回避し意思決定が遅れる日本の「石橋を叩いて渡る」文化に対して、「橋を叩くのではなく、ただ歩き出そう(Just do it)。たとえ橋が崩れても落ちながら直せばいい」と説き、失敗を恐れず仲間と共に挑戦し続けることの重要性を訴えました。
2012年にオバマ元大統領の一般教書演説に賓客として招かれたエピソードや、渡米から37年越しに早稲田大学から博士号を授与された体験を「点と点がつながった結果」として紹介。出会ってきたすべての人々との「化学反応」によって今の自分があるとし、「自分の影響の輪を広げ、周囲の人々や社会にポジティブな違いを生み出したい」という同氏の真摯で熱いメッセージは、会場に集まった参加者たちに深い共感を与え、強く次の一歩を後押ししました。
Toyoda Gosei Missouri Vice President of the Interior and Exterior division マイク・パイル氏
Toyoda Gosei MissouriのVice President of the Interior and Exterior divisionであるマイク・パイル氏と、キャディのソリューションズ・ディレクターであるジェイコブ・エルキンによる対談が行われ、製造業における「AI導入」と「組織・人の変革」をテーマに熱い議論が交わされました。
パイル氏は、製造現場におけるAI導入の本質について「AIはゴールではなく、目的を達成するためのツールに過ぎない」と強調しました。人間の代替ではなく、社員の可能性や能力を広げる「拡張・強化」としてAIを位置づける重要性を訴えました。従来、業務の大半を占めていた情報収集をAIによって大幅に高速化し、人間が本来行うべき「分析」や「意思決定」に注力できる環境を作ることで、製品の市場投入スピードを50%以上短縮することを目指していると語りました。
現場への定着プロセスについては、上からの強制ではなく、社員自身が効果を実感する「アハ体験」を提供することが不可欠であると提示。説明なしでCADDiを預けられた若手インターンたちが、わずか1時間で機能を使いこなしデータを見つけ出した実例を紹介し、一度にすべてを変えようとするのではなく、毎日一つずつ小さな活用を重ねて習慣化していくことが成功への着実なアプローチであると説きました。
また、エンジニア出身の立場から「不正確な情報を入れれば不正確な結果が出る」と指摘し、AIのアウトプットを人間が検証するガードレールの設置と人との相互作用の重要性を強調。最後に、現場のリーダーたちへ向けて「絶対に諦めず、一歩一歩前進を続けてほしい」と力強いエールを送りました。
すべてのセッション終了後は、CADDiの最新ソリューションを体感できる展示エリアや懇親会が開催されました。展示エリアでは、製品の体験デモに加えて導入企業の変革ストーリー紹介や、CADDiエンジニア組織が向き合う最新の「技術課題」に関する展示が行われ、参加者の深い関心を集めました。続く懇親会では、日米の製造業リーダーが垣根を超えて活発に意見を交わし、新たなコラボレーションのきっかけが生まれるなど、イベント全体を通して製造業の未来に向けた共創の熱気に包まれたまま盛況のうちに幕を閉じました。
キャディは北米市場においても、モノづくり産業のポテンシャル解放に向け、全力で挑んでまいります。