抱えていた課題
CADDi による解決
ファブレスであるが故の生産性向上の難しさ
印刷機器類の製造・販売を行うRMGT(リョービMHIグラフィックテクノロジー株式会社)は、リョービ株式会社と三菱重工印刷紙工機械株式会社(現、三菱重工機械システム株式会社)が出資して、2014年1月に創業した。リョービは、幅広いレンジの中小型印刷機を揃え、欧米を始め全世界に販売ネットワークを持ち、三菱重工印刷紙工機械は、大型印刷機で国内大手印刷会社やアジアに幅広い顧客基盤を持っている。RMGTでは、両社の強みを活かし、お客様の役に立つ独創的で高品質な印刷機やサービスを創造、提供している。
RMGTでは、業務効率の改善が課題となっていた。非効率な業務によって一人の社員にかかる負荷が大きくなり、多くの部署で残業時間が多い状態が続いていた。それにより、技術の継承やサプライヤーへの訪問など、本来やるべき業務が思うように行えず、新しい取り組みにかける時間も圧迫していた。
業務の効率を下げる原因の一つが、紙ベースの業務処理だ。図面も含め、多くの書類が紙で処理されていた。製造本部資材部担当副部長の目崎氏は、資材部の状況をこのように話す。
「全ての発注業務が紙の束で回ってきます。見積もりの時には、図面を紙に印刷して、それを確認したり回覧したりして、見積もりを作っていました。それが毎日回ってきます。とにかく調達担当の残業時間が多い。何とか業務効率を上げなければいけない。業務上で扱うものをデータ化して、もっと作業内容や作業時間を含めて可視化していきたいと思っていました。」
部品発注業務の属人化。見積りの根拠が不透明
部品を発注する際には、見積りの妥当性を検討する必要がある。6名が発注業務を担当しており、その経験年数は2名が10年以上、残りの4名が3年未満とばらつきが大きい状況だ。これまで、経験の浅いメンバーが上司に見積りの承認依頼を出す際には、価格を決める際の根拠や妥当性の説明がなく、承認する上司が確認する必要があった。
また、ノウハウを持ったベテランであれば数分でできる見積りの妥当性検討業務でも、知識やノウハウがないと結論を出すのは難しい。見積価格を決める際には、過去に見積りを行った類似部品の価格が参考になる。従来から図面管理システムを導入していたが、探したい図面のファイル名や図面番号が分からないと検索できず、参考になる情報を見つけるまでに時間がかかっていた。仮に図面を見つけて過去の見積価格がわかったとしても、その決定根拠までは残されていない場合もあり、応用の効く知識やノウハウの伝承は不十分だった。
さらに、価格と共に重要な調達部品の品質についてレベルアップを計画していた。しかし、サプライヤーからの見積確認に時間を取られ、さらなる品質向上のための時間を十分に確保できない状況が続いていたことも、解消したい課題の一つであった。
生産性向上と根拠を持った見積りの実現
CADDi Drawerと出会ったきっかけは、別部署で働く宮田氏の同期からの提案だった。紹介を受けた宮田氏が、自身でCADDi Drawerの話を聞いてみると、課題であった過去図面の検索が解決され、社内にある図面をこれまでよりも格段に活用できると感じた。
トライアル期間には、実務者からポジティブな意見が多く出た。例えば、類似検索やキーワード検索の精度が高く検索速度も速い。アップロードした図面にタグ付け機能でメモができるのは便利、といった意見だ。
宮田氏も、目的とする図面を効率よく検索でき、その図面にはさまざまな情報が紐づけられることから、見積業務の属人化の解消に繋げられると考えた。導入に対して前向きになり、社内に提案するために費用対効果の計算を開始。それと合わせて、トライアル期間中も現場が使い続けていたことも宮田氏の背中を押した。これまでも何度か新しいシステムを導入したことはあったが、結局使わなくなる、ということがあった。ただ、キャディには利用促進するサポート体制もあり、そういった不安も徐々になくなっていた。
宮田氏は、CADDi Drawer導入の効果についてこのように話す。
「経験の浅いメンバーは、見積りに対する承認依頼をする際に最終的な価格のみを提出していました。CADDi Drawerを導入してからは、過去の情報を参考にできるため、見積価格を算出した根拠も合わせて持ってきてくれています。例えば、類似図面との比較や重量コストでの他社比など。妥当性や根拠を自分で調べ、判断できるようになったのは、大きな成長ですね。」
今後の活用拡大についても、構想はある。現状は、見積りを行う際にその都度過去の情報を参照しているが、参考にした情報が特殊な事情で標準的な価格からずれている可能性もある。これは、CADDi Drawerに蓄積した重量や処理内容ごとの情報を元に適正価格の標準テーブルを作成すれば、解消できる。過去のノウハウを点ではなく線や面で参考にするイメージだ。
また、生産性向上で生まれた時間は、品質面での活用を検討している。部品ごとの品質特性をCADDi Drawerの内部で図面に紐づけておけば、検索をした際に図面と共に確認できる。これが実現できれば、経験が浅いメンバーでもベテラン社員のように、業務効率化と品質向上の両立が可能だ。
システム的に判断できるものはAIに任せて、人が本来やるべきことに注力する
「GIKEN GOALS 2031」の実現に向けて、宮田氏はこのように話す。
「購買調達部門は一般的に、設計から受領した図面通りのものを作る仕事という認識を持たれています。でも、利益に直結する製品の原価は購買調達部門の取り組みで決まります。最適な形状で、高品質な部品を、安く作るために、購買調達部門は重要な役割を担っています。今後は、設計から来る図面をしっかりと見極めて、時には突き返すくらいのノウハウ取得・スキルアップが必要です。そのために、CADDi Drawerをうまく活用して業務効率化を進めつつノウハウを継承していきます。」
また、購買管理課 課長代理の森氏は、このように締め括った。
「2031年に向けて、まずは3年後には現状の2倍の、売上高600億を目指すことになります。しかし、今までと同じ人の数、同じやり方では倍の業務をこなすことはできません。システム的に判断できるものはAIに任せて、人は人が本来やるべき業務に注力できるような体制構築が必要です。経験が浅い中でも、自らスキルアップできるような自律した人材をどう育てていくのか?というのが、我々マネジメントの課題です。社内のメンバーには、お互い刺激を受け合いながらコミュニケーションを取り、楽しく仕事をしてほしいと思います。」
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