CADDi Drawer導入進捗報告会に潜入取材!
導入わずか3ヶ月で業務効率アップを実感成功のカギは、若手推進者の活躍
川崎重工業株式会社
- 設立
- 1896年10月15日
- 従業員数
- 38,254人(2023年3月31日現在)
- 売上高
- 全社 1兆8,492億円 / 精密機械・ロボットカンパニー 2,279億円(2023年度)
船舶・鉄道車両・航空機・モーターサイクル・ガスタービン・ガスエンジン・産業プラント・油圧機器・ロボットなどの設計開発・製造・販売
導入から3ヶ月。社内の導入進捗報告会に潜入!
川崎重工業株式会社は、総合エンジニアリングメーカーとして、船舶・鉄道車両、バイク、産業プラント、精密機械、ロボットなど、多彩な事業を展開している。ロボット事業の中核となる精密機械・ロボットカンパニーロボットディビジョンでは、2030年までに現状比4倍の売上規模を目標として掲げている。
そんななか、ディビジョン内で課題とされていたのが社員一人当たりの生産性だ。ロボットディビジョンでは、なかでも調達部門では、担当バイヤーによって調達部品の価格や精査レベルが異なる問題が起こっていた。そんな状況を解決するため、導入されたのがCADDi Drawerだ。2023年7月に2週間のトライアルを行った後、同年12月から正式導入開始。今回、2024年3月までの3ヶ月間の成果を報告する社内会議に特別にご招待いただいた。
CADDi Drawerの活用で、業務効率化を達成
同社調達部門はこれまで、部品コストの妥当性を図るため、図面から情報を入力し妥当なコストを算出できるデータベースをExcelで作成、活用していた。しかし、そのデータベースは手動でアップデートする必要があり、さらに膨大なデータを扱うため動作が遅いなど、様々な問題を抱えていた。
CADDi Drawerを導入することで、図面の類似品検索がスムーズに行えるようになり、1件あたり4.4分の時間短縮が可能になった。年間300万円以上の削減効果である。
さらに、調達部ではCADDi Drawerを活用したコスト精査活動を実施。結果として、数点の部材でコストダウン効果も発掘できた。
眠っていたデータに命を吹き込む!CADDi Drawerで実現した「データの資産化」
CADDi Drawerを導入し3ヶ月。調達部全体の活用率は週次で9割以上。高い活用率の背景には、CADDi Drawerのビューワーとしての使いやすさにあった。
林氏 「特に良いと感じたのはビューワーとしての機能です。従来のシステムでは、複数の図面を一覧で見ることができません。そのため、図面を1つずつ開いては『これじゃない、あれじゃない』とシステム内を行ったり来たりしていました。その点CADDi Drawerは一覧から複数図面を見られるので、いつ、どのサプライヤに、いくらで発注したのかが一目で分かります。類似品検索では、対象の図面の異なる点のみが色付けされる機能が搭載されており、図面ごとの細かな違いにもすぐに気づけます。
また、実際に使ってみて良いなと感じたのは複数品番検索機能です。基本的に見積もり依頼は、1品番ごとではなく、複数の品番がExcelで送られてきます。CADDi Drawerの複数品番検索機能を活用することで、1つ1つ検索を行う手間が省け、仕分け作業をスムーズに行えるようになりました」
さらに同社では、これまでの知見や従来のデータベースをもとに類似品検索の精度調査も実施。一致率は100%という結果になった。
林氏 「CADDi Drawerを導入することで『データの資産化』が実現できています。これまでも社内は膨大なデータが点在していましたが、ただあるだけでうまく管理・活用できていませんでした。CADDi Drawerの導入で、データの管理・貯蔵はもちろん、それらを活用することで新しい価値を創出できるようになりました。」
全社横断で生産性向上を目指す
導入から3ヶ月、調達部においてはCADDi Drawerの活用で現状から約5%以上の業務効率アップが出来る見込みとなっている。今後はCADDi Drawerを他部門にも展開し、全社横断の生産性向上を目指していく。
林氏 「今後の方針として利用率向上を掲げていますがゴールは『使う』ことではありません。CADDi Drawerはあくまでもツールの一つ。業務の生産性向上という目的をぶらさず、そのためにどう活用していくかを各部署と話し合いながら進めていきたいです」
導入前
- 過去の類似品や購入履歴の情報が散乱しており、情報を引き出すのに時間がかかる
- 知見のあるベテラン社員と、そうでない若手社員の業務に差が生まれる
- 類似品の比較がしづらく、部品コストの妥当性が不明瞭
導入後
- 過去の類似品や購入実績を短時間で探すことができるように
- 業務が標準化され、経験に関わらず業務がスムーズに
- 類似検索でコストの妥当性が改善され、異常単価の発見、決裁までにかかる時間の短縮
若手社員がプロジェクトリーダーに!導入成功の鍵は、目的の明確化と細かなフォロー
CADDi Drawerの導入を検討されている企業のなかには「導入したいけれど、運用を任せられるメンバーがいない」「うまく活用できるかわからない」と悩まれる担当者も少なくない。そんななか、川崎重工業株式会社は導入わずか3ヶ月にも関わらず、部内全体に活用を浸透させ、高い成果を出している。そこで、プロジェクトリーダーの林氏と彼の上司にあたる基幹職の小野氏、調達部部長の酒井氏に、導入後の取り組みについて伺った。
事前にユーザーヒアリングを行い、どう活用できるかをしっかり伝えた
導入にあたって、まずは部門ごとにゴールを設定。そのためにCADDi Drawerをどう使うかを明確にした。その後、部門全体に向けて説明会を実施。そこでは一方的に使用方法を伝えるのではなく、個別に業務ヒアリングも行った。そこで把握した業務フローや工数の内訳をもとに、さらに細かい使い方や、活用メリットなどを伝えていった。
少しずつ活用率は上昇したが、使う人と使わない人の差も開き始めた。そこで、林氏はユースケースの共有会や、活用トピックのシェアなどを行い、活用率が低い社員に働きかけた。フォローが必要な社員には個別に声をかけるなど、きめ細かな対応で少しずつ活用率を高めていった。現在は活用率が9割を超える社員も複数名いる状態だ。
林氏 「ある程度使えるようになれば『使いやすい』『便利』といってどんどん活用してくれるようになってくるんですよね。なので、そこに至るまでの部分でしっかりとコミュニケーションを取るようにしていました」
酒井氏 「いきなり『今日からこれを使ってください』と言われても、どう活用すべきか分からなければ使わない社員が大半です。林君は、日々の業務でどう使えるのか、何ができるのかをしっかりと伝えてくれていたので、ほかのメンバーも使いやすかったのだと思います」
旗振り役は20代!若手の活躍で組織も活性化
CADDi Drawerの旗振り役を担うのは、入社5年目の林氏だ。林氏をプロジェクトリーダーに抜擢した理由について、酒井氏はこのように語る。
「これからの時代を担っていく若いメンバーに、率先してやってもらうことが重要だと思うんです。私も林君と同じくらいの年齢のときに、基幹システムの立ち上げメンバーを任されていました。今でもその経験が活きていると感じる場面はたくさんありますし、若い頃からどんどん挑戦してもらいたいという気持ちはありますね。また、若い人たちの自由で新しい発想に刺激を受けることで、組織全体の活性化にもつながると思います」
これまでも、仕事の姿勢や成果において高い評価を受けている林氏だが、CADDi Drawerのプロジェクトを任されるようになり、さらに仕事のパフォーマンスが上がったと小野氏は語る。
「林君は入社間もない頃から高い問題意識を常に持って業務に取り組んでくれています。CADDi Drawerの推進を通して、調達部だけではない他の部との関わりも増え、さらに高い視点で物事を考えられるようになったと思います」
ただ任せるだけではなく、後ろからしっかりと支えている。
小野氏 「CADDi Drawerを使った業務改善の成果は、各総括部のトップが参加する会議で定期的に報告しています。林君には今後、部署を跨いでCADDi Drawerの推進をしてもらいますし、そのために上をしっかり抑えていくのが私たち上司の役目ですからね」
酒井氏 「私たちができることは、若手社員がモチベーション高く業務にあたれるようにサポートすること。万が一失敗しても、その責任は私たちがとるという覚悟を持っていますし、私もそうやって上司に育ててもらったので」
導入して終わりではない!カスタマーサクセスによるフォロー
キャディではCADDi Drawer導入後もカスタマーサクセスによるフォローを行っている。現在は週1回のミーティングで進捗確認や、今後の戦略策定などを実施している。
林氏 「導入直後から活用率を高めるためにどうすべきか、カスタマーサクセスの有友さんとは何度も打ち合わせさせていただきました。多いときには週に2回以上ミーティングしていましたね。対応もスピーディですし、欲しい資料や情報を素早くいただけるので助かっています」
「グループビジョン2030」達成に向けて、部門を跨いだCADDi Drawerの推進
同社では、今後6年で現状比4倍の売上規模を目指す「グループビジョン2030」を掲げている。そのために調達部では業務効率化に取り組んでいる。CADDi Drawerの活用によって、効率化の道筋は少しずつ見えてきたが、まだ課題はたくさんある。「いくら良いシステムであっても、浸透しなければ成果は出ません。活用率を上げるためには共通のゴール設定を持つことが大切です」と小野氏は語る。
林氏 「まずは調達部で成果を出して、今後は他の部門にも展開していく予定です。ただ、しっかり数字が出せないと、いくら良いサービスであっても使い続けられなくなってしまいます。目標数値は明確なので、それを達成するために今後CADDi Drawerをどう活用していくのか。引き続きキャディさんにもご支援いただきながら、進めていきたいです」
川崎重工業株式会社は、今後もCADDi Drawerを活用し全社的に業務効率を向上させていく。